臨床検査に関する記述である スパイロメトリ

2022年 02月 16日

人体の構造と機能及び疾病の成り立ち

33-27 臨床検査に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

1)基準値は、健常者の測定値の75%が含まれる範囲である。

2)心電図のP波は、心室の興奮を反映している。

3)便潜血反応は、大腸がんのスクリーニングとして用いられる。

4ALTの上昇は、心臓疾患に特異的である。

5CT(コンピュータ断層揖影)は、磁気を利用する検査である。

×(1)基準値は、健常者の測定値の95%が含まれる範囲である。

健常者がとりうる臨床検査値を基準値あるいは基準範囲という。以前は、正常値・正常範囲と呼ばれていたが、正常と異常を明確に区別する値ではなく、患者の病態を判断する上で基準になる値ということで、基準値・基準範囲と呼ばれるようになった。

基準範囲の定義は、健常者集団を測定した場合の分布で中央の95%を含む範囲のことである。基準範囲の両端をそれぞれ基準上限値、基準下限値という。検査値の分布が正規分布する場合は、平均値±2×標準偏差(中央の95.45%が含まれる)が用いられることが多い。ただし、すべて検査結果が正規分布するとは限らない。

×(2)心電図のP波は、心房の興奮を反映している。

心臓の興奮は洞房結節で発生し、心房→房室結節→ヒス束→左右の脚→プルキンエ線維→心室筋と伝導される。興奮が心臓全体にいきわたるまでは、心臓内で興奮している部位と興奮していない部位が存在するので、その間で電位差が生じる。その電位差を記録したものが心電図である。主な心電図波形はPから始まってQRSTとアルファベット順に表現する。P波は心房の興奮を反映している。QRS波は心室筋の興奮を反映している。T波は心室筋の再分極を反映している。

S波とT波の間のST部分は心室筋全体が興奮している状態(心室筋全体が収縮している状態)なので電位差は生じず、基線に戻る。狭心症や心筋梗塞で心室筋の一部が虚血のために収縮しないと電位差が生じST部分は上昇または下降する。

〇(3)便潜血反応は、大腸がんのスクリーニングとして用いられる。

便潜血反応は便に含まれる微量の血液を検出する検査である。大腸がんの病変から出血があると便潜血反応は陽性になる。出血があった場合の感度は高く疾病を見逃す頻度は少ないが、便潜血が陽性になる病態は大腸がんだけに限らないので特異度は低い。このような感度が高く、特異度が低い検査はスクリーニング検査に向いている。陽性になった場合は、特異度が高い検査で確定診断を行う。

×(4ALTの上昇は、肝疾患に特異的である。

組織の障害により細胞内にある酵素が血液中に流出したものを逸脱酵素という。ALTは、alanine transaminaseの略語で以前はGPTglutamic pyruvic transaminase)と呼ばれていた。主に肝臓に存在するので、肝疾患の特異性が高い。同じような逸脱酵素であるASTは、aspartate transaminaseの略語で以前はGOTglutamic oxaloacetic transaminase)と呼ばれていた。主に肝臓、心筋、骨格筋、赤血球などに存在するので、心臓疾患の検査で用いられるが、臓器特異性は低い。心臓疾患に特異性が高い逸脱酵素はCKcreatine kinase)である。CKにはアイソザイムといしてCK-MM型、CK-MB型、CK-BB型があるが、CK-MB型が心臓疾患の特性が高い。

×(5CT(コンピュータ断層揖影)は、X線を利用する検査である。

CTX線を利用する検査である。磁気を利用する検査はMRI(核磁気共鳴画像法)である。ちなみに超音波を利用する検査はエコー検査(超音波検査)である。

正解(3


by kanri-kokushi | 2022-02-16 12:37 | 第33回国家試験 | Comments(0)

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「7 疾患診断の概要」 の練習問題と解答・解説です.

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7 疾患診断の概要 19問 問題
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1 身体診察に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) ウエスト周囲径は, 標準体重の推定に利用される.
(2) 肥満は, クッシング症候群にみられる症候の1つである.
(3) るいそうは, 甲状腺機能低下症にみられる症候の1つである.
(4) クレアチニン身長係数の増加は, たんぱく質栄養障害の指標となる.
(5) 上腕筋囲の低下は, 脂質栄養障害の指標となる.

2 身体診察に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 上腕筋囲は, 体水分量の指標である.
(2) 膝下高は, 骨格筋量の推定に利用される.
(3) BMIが 20 以下であれば, 「やせ」 と判定される.
(4) 表皮にとどまる熱傷は, Ⅰ度熱傷である.
(5) 浮腫は, 毛細血管内圧の低下でみられる症候の1つである.

3 バイタルサインに関する記述である. 誤っているのはどれか. 2つ選べ.
(1) 脈拍あるいは心拍数は, バイタルサインの1つである.
(2) 1秒率は, バイタルサインの1つである.
(3) 血圧は, バイタルサインの1つである.
(4) 体温は, バイタルサインの1つである.
(5) 体脂肪率は, バイタルサインの1つである.

4 血圧と脈拍に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 末梢血管抵抗の減少により, 血圧は上昇する.
(2) 仮面高血圧は, 診察室血圧が正常血圧である.
(3) 血管壁の弾力性が低下すると, 最大血圧は上昇するが最小血圧は変わらない.
(4) 頻脈は, 甲状腺機能低下症でみられる.
(5) 頻脈は, 貧血一般にみられる症候の1つである.

5 呼吸に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 呼吸の周期は, 視床下部に存在する呼吸中枢により形成されている.
(2) クスマウル大呼吸は, 胆石発作でみられる.
(3) 慢性閉塞性肺疾患では, 血中二酸化炭素分圧が低下する.
(4) 慢性閉塞性肺疾患では, 1秒率の増加がみられる.
(5) 起坐呼吸は, 呼吸を楽にするために座位をとる状態である.

6 ナトリウム欠乏性脱水に関する記述である. 正しいのはどれか. 2つ選べ.
(1) ナトリウム欠乏性脱水では, 高張性脱水になる.
(2) ナトリウム欠乏性脱水では, 細胞内液量が減少する.
(3) ナトリウム欠乏性脱水では, 脳浮腫を起こす.
(4) ナトリウム欠乏性脱水は, 水の補給により改善される.
(5) ナトリウム欠乏性脱水は, アジソン病患者でみられる.

7 脱水に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) ナトリウム欠乏性脱水は, 尿崩症患者でみられる.
(2) 水欠乏性脱水では, 低張性脱水になる.
(3) 水欠乏性脱水では, 細胞内液量が減少する.
(4) 水欠乏性脱水は, ナトリウムの補給により改善される.
(5) 水欠乏性脱水は, 熱中症患者でみられる.

8 浮腫に関する記述である. 正しいのはどれか. 2つ選べ.
(1) 浮腫の原因の1つに, 血漿膠質浸透圧の上昇がある.
(2) 炎症に伴う局所の浮腫は, 低たんぱく血症による膠質浸透圧の低下が原因である.
(3) 腎性浮腫は, 毛細血管透過性の亢進が原因である.
(4) 浮腫は, ネフローゼ症候群にみられる症候の1つである.
(5) 血漿膠質浸透圧の低下は, 低栄養性浮腫の原因となる.

9 浮腫に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) たんぱく質の過剰摂取は, 全身の浮腫をきたす.
(2) クッシング症候群でみられる浮腫は, 栄養障害性である.
(3) 左心不全は全身の静脈血の貯留 (うっ血) を起こし, 下肢の浮腫が起こる.
(4) ネフローゼ症候群の浮腫の原因の1つに, 腎臓における水の再吸収の亢進がある.
(5) 心臓性浮腫では, 眼瞼部から浮腫が始まる.

10 ショックと意識障害に関する記述である. 誤っているのはどれか. 1つ選べ.
(1) 出血や広範な火傷によって大量の体液が失われると, ショックを引き起こす.
(2) 心原性ショックは, 急性心筋梗塞でみられる.
(3) 敗血症でみられるショックは, 細菌の内毒素が原因である.
(4) ペニシリンショックは, アナフィラキシーによる.
(5) JCSは, 心機能の指標である.

11 黄疸に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) ヘモグロビン中のヘムが分解されると, 胆汁酸となる.
(2) 肝臓機能が正常であれば, 血清ビリルビンは全て直接型である.
(3) 血漿の淡黄色は, 含まれている胆汁酸によるものである.
(4) 黄疸では, 血中ビリルビンが増加している.
(5) 鉄欠乏性貧血は, 黄疸をきたす疾患である.

12 黄疸に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 胆石症の症候に, 黄疸がある.
(2) 尿管結石は, 黄疸をきたす疾患である.
(3) 閉鎖性黄疸では, 主として血清間接型ビリルビンが増加する.
(4) 溶血性黄疸や新生児黄疸では, 主として血清直接型ビリルビンが増加する.
(5) 新生児にみられる核黄疸は胆汁色素が肝細胞核に沈着したもので, 脳障害を残す.

13 喀血, 吐血, 下血に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 消化性潰瘍の症候に, 喀血がある.
(2) 直腸がんによる下血は, タール便である.
(3) 胃潰瘍や十二指腸潰瘍による下血は, 鮮血である.
(4) 下血は, 過敏性腸症候群でみられる.
(5) 潰瘍性大腸炎の症候に, 下血がある.

14 症候に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 両側下肢の運動麻痺を片麻痺といい, 身体一側の上下肢の運動麻痺を対麻痺という.
(2) パーキンソン病の症候として, 対麻痺がみられる.
(3) 過敏性腸症候群による便秘は, 機能型の便秘である.
(4) チアノーゼは, 血液中のヘモジデリンが増加した状態をいう.
(5) チアノーゼは, 貧血で出現しやすい.

15 臨床検査に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 健常者の臨床検査値は, 基準値からはずれることはない.
(2) 動脈血の pH の基準値は, 7.1 である.
(3) 動脈血の酸素飽和度は, 約 48% である.
(4) 血漿の浸透圧の基準範囲は, 275~290 mOsm/L である.
(5) T細胞の減少は, 免疫能の向上の指標となる.

16 生化学検査に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 血漿総たんぱく質値の基準値は, 4.3 g/L である.
(2) 血中アルブミン濃度が 3.0 g/dL 以下の時は, 低アルブミン血症と判定される.
(3) 血清アルブミン値の低下は, 鉄欠乏状態の指標となる.
(4) 空腹時血糖値の基準値は, 96 g/L である.
(5) 血清アルブミンは, ラピッドターンオーバープロテイン (RTP) である.

17 生化学検査に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) 血清AST (GOT) 値やLDH値は, 急性肝炎で上昇し, 心筋梗塞で低下する.
(2) 血清アルブミン値は, 貧血の特異的指標として用いられる.
(3) 血清コリンエステラーゼ (ChE) 値は, 肝臓が傷害されると上昇する.
(4) C反応性たんぱく質 (CRP) 値は, 炎症性疾患で上昇する.
(5) 血清カリウム値は, 腎不全やアジソン病で低下する.

18 腫瘍マーカーに関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) AFPは, すい臓がんの腫瘍マーカーである.
(2) PSAは, 肝細胞がんの腫瘍マーカーである.
(3) CRAは, 大腸がんで上昇する.
(4) CEAは, 大腸がんでは上昇しない.
(5) PIVKA-Ⅱは, 前立腺がんの腫瘍マーカーである.

19 生理機能検査と画像検査に関する記述である. 正しいのはどれか. 1つ選べ.
(1) スパイロメトリは, 末梢の動脈血の酸素飽和度の検査である.
(2) パルスオキシメトリは, 呼吸機能の検査である.
(3) 運動負荷心筋シンチグラフィは, 睡眠障害の診断に用いる検査である.
(4) ポリソムノグラフィは, 心筋の生存能を評価する検査である.
(5) 磁気共鳴イメージング (MRI) は, 悪性腫瘍の診断に用いられる検査である.

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7 疾患診断の概要 19問 解答と解説
''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''

1=(2)
(1) 誤 ウエスト周囲径は, 内臓脂肪量の推定に利用される.
(2) 正 肥満は, クッシング症候群にみられる症候の1つである.
(3) 誤 肥満は, 甲状腺機能低下症にみられる症候の1つである.
(4) 誤 クレアチニン身長係数の増加は, 筋肉量増加のよい指標となる.
(5) 誤 上腕筋囲の低下は, 筋のたんぱくの蓄積低下の指標となる.

2=(4)
(1) 誤 上腕筋囲は, 骨格筋量の指標である.
(2) 誤 膝下高は, 身長の推定に利用される.
(3) 誤 BMIが 18.5 以下であれば, 「やせ」 と判定される.
(4) 正 表皮にとどまる熱傷は, Ⅰ度熱傷である.
(5) 誤 浮腫は, 毛細血管内圧の上昇でみられる症候の1つである.

3=(2)かつ(5)
(1) 正 脈拍あるいは心拍数は, バイタルサインの1つである.
(2) 誤 1秒率は, バイタルサインの1つではない.
(3) 正 血圧は, バイタルサインの1つである.
(4) 正 体温は, バイタルサインの1つである.
(5) 誤 体脂肪率は, バイタルサインの1つである.

4=(2)
(1) 誤 末梢血管抵抗の減少により, 血圧は低下する.
(2) 正 仮面高血圧は, 診察室血圧が正常血圧である.
(3) 誤 血管壁の弾力性が低下すると, 最大血圧も最小血圧も上昇する.
(4) 誤 頻脈は, 甲状腺機能亢進症でみられる.
(5) 誤 頻脈は, 鉄欠乏性貧血など貧血一般にみられる症候の1つである.

5=(5)
(1) 誤 呼吸の周期は, 延髄に存在する呼吸中枢により形成されている.
(2) 誤 クスマウル大呼吸は, 重症糖尿病でみられる.
(3) 誤 慢性閉塞性肺疾患では, 血中二酸化炭素分圧が上昇する. 呼吸が困難であるため. 呼吸性アシドーシスである.
(4) 誤 慢性閉塞性肺疾患では, 1秒率の低下がみられる.
(5) 正 起坐呼吸は, 呼吸を楽にするために座位をとる状態である.

6=(3)かつ(5)
(1) 誤 ナトリウム欠乏性脱水では, ナトリウムの喪失により細胞外液の浸透圧が下がるため低張性脱水になる.
(2) 誤 ナトリウム欠乏性脱水では, 細胞外液が低張になるので細胞外から細胞内に水が移動するため細胞内液量が増加する.
(3) 正 ナトリウム欠乏性脱水では, 脳浮腫を起こす.
(4) 誤 ナトリウム欠乏性脱水は, ナトリウムの補給により改善される.
(5) 正 ナトリウム欠乏性脱水は, アジソン病患者でみられる.

7=(3)
(1) 誤 ナトリウム欠乏性脱水は, 熱中症患者でみられる.
(2) 誤 水欠乏性脱水では, 水の喪失により細胞外液の浸透圧が上がるため高張性脱水になる.
(3) 正 水欠乏性脱水では, 細胞外液が高張になるので細胞内から細胞外に水が移動するため細胞内液量が減少する.
(4) 誤 水欠乏性脱水は, 水の補給により改善される.
(5) 誤 水欠乏性脱水は, 尿崩症患者でみられる.

8=(4)かつ(5)
(1) 誤 浮腫の原因の1つに, 血漿膠質浸透圧の低下がある.
(2) 誤 炎症に伴う局所の浮腫は, 毛細血管透過性の亢進が原因である.
(3) 誤 腎性浮腫は, 低たんぱく血症による膠質浸透圧の低下が原因である.
(4) 正 浮腫は, ネフローゼ症候群にみられる症候の1つである.
(5) 正 飢餓による低栄養性浮腫は, たんぱく質の異化亢進のため低たんぱく血症となり, 膠質浸透圧が低下したことが原因である.

9=(4)
(1) 誤 たんぱく質の欠乏は, 全身の浮腫をきたす.
(2) 誤 クッシング症候群でみられる浮腫は, コルチゾールの過剰分泌によるたんぱく質の異化亢進が原因の一つである.
(3) 誤 右心不全は全身の静脈血の貯留 (うっ血) を起こし, 下肢の浮腫が起こる.
(4) 正 ネフローゼ症候群の浮腫の原因の1つに, 腎臓における水の再吸収の亢進がある.
(5) 誤 心臓性浮腫は, からだの下の部分に現れる傾向がある.

10=(5)
(1) 正 出血や広範な火傷によって大量の体液が失われると, ショックを引き起こす.
(2) 正 心原性ショックは, 急性心筋梗塞でみられる.
(3) 正 敗血症でみられるショックは, 細菌の内毒素が原因である.
(4) 正 ペニシリンショックは, アナフィラキシーによる.
(5) 誤 JCS (Japan Coma Scale) は, 昏睡 (意識障害) の指標である.

11=(4)
(1) 誤 ヘモグロビン中のヘムが分解されると, ビリルビン (胆汁色素) となる.
(2) 誤 肝臓機が正常であれば, 血清には直接型と間接型のビリルビンが存在する.
(3) 誤 血漿の淡黄色は, 含まれているビリルビン (胆汁色素) によるものである.
(4) 正 血清ビリルビン値が 2.0 mg/dL 以上になると, 黄疸が認められる.
(5) 誤 溶血性貧血は, 黄疸をきたす疾患である. ヘモグロビンの分解により間接ビリルビンが増加するため.

12=(1)
(1) 正 胆石症の症候に, 黄疸がある.
(2) 誤 尿管結石は, 特に黄疸をきたす疾患とは考えにくい.
(3) 誤 閉鎖性黄疸では, 主として血清直接型ビリルビンが増加する.
(4) 誤 溶血性黄疸や新生児黄疸では, 主として血清間接型ビリルビンが増加する.
(5) 誤 新生児にみられる核黄疸は胆汁色素が大脳基底核に沈着したもので, 脳障害を残す.

13=(5)
(1) 誤 上部消化管からの出血を吐血といい, 呼吸器系から出血した血液を口腔から排出する場合を吐血という.
(2) 誤 直腸がんによる下血は, 鮮血である.
(3) 誤 タール便は, 直腸における出血でみられる.
(4) 誤 下血は, 過敏性腸症候群ではみられない.
(5) 正 潰瘍性大腸炎の症候に, 下血がある.

14=(3)
(1) 誤 両側下肢の運動麻痺を対麻痺といい, 身体一側の上下肢の運動麻痺を片麻痺という.
(2) 誤 脊髄損傷の症候として, 対麻痺がみられる.
(3) 正 過敏性腸症候群による便秘は, 機能型の便秘である.
(4) 誤 血液中の酸素が不足し, CO-Hb が増加した状態をチアノーゼという.
(5) 誤 貧血ではヘモグロビン量が減少しているので, チアノーゼは起こりにくい.

15=(4)
(1) 誤 約 5% の健常者の臨床検査値は, 基準値からはずれることもある.
(2) 誤 動脈血の pH の基準範囲は, 7.35~7.45 である.
(3) 誤 指先などの動脈血の酸素飽和度は, 95~97% である.
(4) 正 血漿の浸透圧の基準範囲は, 275~290 mOsm/L である.
(5) 誤 T細胞の減少は, 免疫能の低下の指標となる.

16=(2)
(1) 誤 血漿総たんぱく質値の基準範囲は, 6.3~7.8 g/dL である.
(2) 正 血中アルブミン濃度が 3.0 g/dL 以下の時は, 低アルブミン血症と判定される.
(3) 誤 血清アルブミン値の低下は, ネフローゼ症候群, 吸収不良症候群, 低栄養状態などの指標となる.
(4) 誤 空腹時血糖値の基準範囲は, 70~110 mg/dL である.
(5) 誤 トランスサイレチン, トランスフェリン, レチノール結合たんぱくは, ラピッドターンオーバープロテイン (RTP) である.

17=(4)
(1) 誤 血清AST (GOT) 値やLDH値は, 急性肝炎や心筋梗塞で上昇する.
(2) 誤 血清アルブミン値は, 栄養状態や肝障害の有無, 程度を知るのに用いられる.
(3) 誤 血清コリンエステラーゼ (ChE) 値は, 肝臓が傷害されると低下する.
(4) 正 C反応性たんぱく質 (CRP) 値は, 炎症性疾患で上昇する.
(5) 誤 血清カリウム値は, 腎不全やアジソン病で上昇する.

18=(3)
(1) 誤 AFP (α-フェトプロテイン) は, 肝細胞がんの腫瘍マーカーである.
(2) 誤 PSA (前立腺特異抗原) は, 前立腺がんの腫瘍マーカーである.
(3) 正 CRA (がん胎児性抗原) は, 大腸がんで上昇する.
(4) 誤 CEA (がん胎児性抗原) は, 消化器系のがんなどで上昇する.
(5) 誤 PIVKA-Ⅱは, 肝細胞がんの腫瘍マーカーである.

19=(5)
(1) 誤 スパイロメトリは, 呼吸機能 (肺活量や1秒率など) の検査である.
(2) 誤 パルスオキシメトリは, 指先など末梢の動脈血の酸素飽和度の検査である.
(3) 誤 運動負荷心筋シンチグラフィは, 心筋の生存能を評価する検査である.
(4) 誤 ポリソムノグラフィは, 睡眠時無呼吸症候群など睡眠障害の診断に用いる検査である.
(5) 正 磁気共鳴イメージング (MRI) は, 悪性腫瘍の診断に用いられる検査である.

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次回は, 「8 疾患治療の概要」 の穴埋め問題と正文集です.