ルクセンブルク gdp なぜ高い

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「仲良く貧乏」を選んだ日本は世界に見放される 1人当たりGDPは約20年前の2位から28位へ後退

また、日本のすぐ下に韓国(30位、3万4801ドル)や台湾(32位、3万3705ドル)が迫っており、追い抜かれるのは時間の問題です。中国は、1990年にはわずか347ドルで、データのある149カ国中135位という貧しい国でしたが、急速に経済成長し、2021年には1万2359ドル、65位まで上昇しています。

日本は、長く「アジアの盟主」を自認してきました。しかし、こうした日本とアジア各国の近況からすると、この呼び方も現実にそぐわなくなっています。

小国・金融・移民がキーワード

次に、どういうタイプの国が高いランクになっているのかを考えてみましょう。

2021年現在の世界1位は、ルクセンブルク(正式名称は、ルクセンブルク大公国)の13万6701ドルです。ルクセンブルクは、1993年以降ずっと首位を堅持しています。日本ではあまり知られていないルクセンブルクの成功要因を紹介します。

ルクセンブルクは、人口63万人、面積2586平方キロメートルという小国です(人口は島根県と同じくらい、面積は東京都の1.18倍)。もともとは鉄鋼業などを中心とする工業国でしたが、1970年代の石油危機を機に金融業への構造転換を図りました。今ではルクセンブルク市場は、欧州ではロンドンに次ぐ金融の中心地になっています。

人口が少ないルクセンブルクは、常に労働力不足に悩まされてきました。不足する労働者を補うため、100年以上前から積極的かつ継続的に移民を受け入れています。現在、総人口に占める移民の割合は47.3%(世界最高)に達し、国民の半数近くが移民です。

多国籍社会を反映して、ルクセンブルク語、ドイツ語、フランス語の3言語が公用語で、国民は場面に応じて使い分けます。ただ、金融ビジネスでは、英語が事実上の公用語になっています。

ルクセンブルクは、①低付加価値の製造業から高付加価値の金融業に転換し、②大量の移民を受け入れて、③優秀な移民にはルクセンブルク人とともに金融ビジネスを、優秀でない移民には単純労働を担ってもらう、という明快な国家戦略を実践してきたのです。

ベルギー、ドイツ、フランスに囲まれたヨーロッパの小国・ルクセンブルク。人口わずか57万人という小国ですが、実は世界でも指折りのお金持ち国家として一目置かれている存在です。

世界遺産のルクセンブルク旧市街をはじめ、旅先としても魅力たっぷりのルクセンブルクの秘密に迫ります。

目次

  • Page 1
  • 1 一人あたりGDP世界一の富裕国
  • 2 ヨーロッパを代表する金融センター
  • 3 世界遺産の首都・ルクセンブルク市
  • Page 2
  • 1 古城の風景が美しいヴィアンデン
  • Page 3
  • 1 周辺国と組み合わせて旅行プランを

目次

  • 1 一人あたりGDP世界一の富裕国
  • 2 ヨーロッパを代表する金融センター
  • 3 世界遺産の首都・ルクセンブルク市


一人あたりGDP世界一の富裕国

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日本では「それどこ?」と言われてしまうことの多い国、ルクセンブルク。実際のところ、ルクセンブルクは人口わずか57万人、面積も神奈川県ほどしかないヨーロッパの小国です。ルクセンブルクと国境を接するベルギーやドイツ、フランスに比べると、日本での認知度は圧倒的に低いと言わざるをえません。

ところが、ルクセンブルクは20年以上連続で一人あたりGDP(国内総生産)が世界一。世界屈指の富裕国としてその名をとどろかせています。ちなみに日本の一人あたりGDPは世界22位。ルクセンブルクは人口が少ないために、GDPこそ大きな数字にはならないものの、居住者一人あたりが稼ぎ出す富は世界一なのです。

ヨーロッパを代表する金融センター

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人口57万人のルクセンブルクが、どうやって世界でもトップクラスの豊かな国となったのか。その最大の要因は、ヨーロッパを代表する金融センターの座を勝ち取ったことにあります。

1960年代からルクセンブルクの経済を牽引していた鉄鋼業の不振を受け、ルクセンブルクは金融立国を目指す方向に舵を切りました。その政策が功を奏し、いまやロンドンに次ぐユーロ市場、ヨーロッパを代表する国際的な金融センターを有するまでに発展したのです。

首都のルクセンブルク市には海外からも多数の金融機関が進出しており、ユーロ圏における富裕層向けのプライベート・バンキングの中心地となっています。

世界遺産の首都・ルクセンブルク市

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ルクセンブルクの首都は、国名と同じルクセンブルク市。ルクセンブルクの旧市街は「北のジブラルタル」の異名をもつ難攻不落の城砦都市。ペトリュス渓谷に守られた天然の要塞で、断崖と2つの川に囲まれた地形を生かして造られた街並みは、世界遺産に登録されています。

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春奈

Haruna ライター

和歌山出身、上智大学外国語学部英語学科卒。2度の会社員経験を経て、現在はフリーランスのライター・コラムニスト・広報として活動中。旅をこよなく愛し、アジア・ヨーロッパを中心に渡航歴は約60ヵ国。特に「旧市街」や「歴史地区」とよばれる古い街並みに目がない。半年間のアジア横断旅行と2年半のドイツ在住経験あり。現在はドイツ人夫とともに瀬戸内の島在住。


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ルクセンブルクの実質GDPは?

ルクセンブルクの実質GDP(自国通貨)の推移.

ルクセンブルクのGDP順位は?

こちらも2021年度のGDPについて解説します。 2021年度の結果としては、1位がルクセンブルク、2位がアイルランド、3位がスイスという順位でした。

ルクセンブルクの経済力は?

1人当たりのGDPは14万694ドル(約1876万円)で、世界で最も裕福な国だ。 失業率は5%強で、平均寿命は82歳。 全国民が医療、教育、公共交通機関を無料で利用できる。 ルクセンブルク政府は安定的かつ効率的で、政治や経済も安定し高い生活水準を誇っている。