プレスリリース 統合失調症に関わるドパミン受容体の構造解明―副作用を抑えた薬の迅速な探索・設計が可能に―プレスリリース Show 京都大学 概要京都大学大学院医学研究科林到炫(イム ドヒョン)助教、岩田想教授(兼理化学研究所グループディレクター)、島村達郎特定講師らの研究グループは、東北大学大学院薬学研究科井上飛鳥准教授、同多元物質科学研究所南後恵理子教授(兼理化学研究所客員研究員)、高輝度光科学研究センターXFEL利用研究推進室登野健介グループリーダーらとの共同研究により、ドパミンD2受容体の立体構造を、X線自由電子レーザー(XFEL)1)を用いて解明しました(図1)。ドパミンD2受容体は、ドパミンにより活性化されて情報伝達を行います。ドパミンは、運動調節や意欲・学習などに関わる脳内の神経伝達物質です。脳内のドパミン量が不足するとパーキンソン病になり、過剰になると統合失調症になると考えられています。統合失調症の治療薬はドパミンD2受容体に結合して不活性化します。これらの薬には、近縁の受容体にも作用することで生じる体重増加、眠気、口の渇きなどの副作用が知られています。本研究により、ドパミンD2受容体に薬が結合する部分(ポケット)は、大きく異なる二つの形をとりうることが分かりました。また、ポケットの近くにドパミンD2受容体に特有の空洞が存在することがわかりました。薬が結合するポケットの構造情報は、合理的な新薬の探索・設計に役立ちます。今後は、本研究で解明されたドパミンD2受容体の構造情報を基に、より有効性が高く副作用の少ない治療薬の迅速な開発が可能になると期待されます。本成果は、2020年12月22日に国際学術誌「Nature Communications」にオンライン掲載されます。 図1 (左)脳内ドパミンの働き及びその関連疾患、(右)本研究により明らかになったドパミンD2受容体の立体構造と抗精神薬スピペロンの結合様式。背景統合失調症は100人に1人程度がかかる精神疾患です。統合失調症の症状には、妄想・幻覚や意欲の低下などがあります。現在、統合失調症の治療薬として主に使用されているのは、非定型抗精神病薬と呼ばれる薬です。これらの薬は、脳に存在するドパミンD2受容体とセロトニン2A受容体という2種類のタンパク質の働きを抑制する(不活性化する)ことで効果を発揮しています。しかし、ドパミンD2受容体やセロトニン2A受容体と類似するセロトニン2C受容体やヒスタミンH1受容体など他のアミン受容体2)にも結合して不活性化することで起こる、口の渇き、眠気、体重増加、高血糖、起立性低血圧などの副作用が存在します。 近年の創薬分野では、標的タンパク質の立体構造を基にした創薬戦略(Structure-based drug design)3)が進められています。私たちは副作用が少ない抗精神病薬の開発に役立てるため、関連する受容体の構造解析研究を進めており、昨年、セロトニン2A受容体の構造を発表しました(Kimura et al. 2019, Nat.Struct.Mol.Biol. 26: 121-128)。本研究では、ドパミンD2受容体の立体構造の解明を試みました。 研究手法・成果本研究では、抗精神病薬であるスピペロン4)が結合したドパミンD2受容体の不活性型構造を、X線結晶構造解析の手法を用いて決定しました。そのためにはドパミンD2受容体の結晶を取得する必要がありましたが、独自に設計した安定性の高い水溶性タンパク質をドパミンD2受容体の不安定な部分と置換すること、および構造を固定する抗体フラグメントを結合させることで結晶を取得することに成功しました。また、小さな結晶から良好なデータを取得するためには、新世代のX線であるXFELの使用が必須でした。このXFELを利用したデータ測定は、日本のXFEL施設であるSACLA5)で行いました。 解析の結果、ドパミンD2受容体の全体構造やスピペロンが結合しているポケットは、他のアミン受容体と良く似た構造をとっていました。このことは、抗精神病薬が他のアミン受容体にも結合し、副作用を生じる原因の一つであると考えられます。一方で、本研究で決定したドパミンD2受容体の不活性型構造は、外国のグループが発表したドパミンD2受容体の不活性型構造と比べ、ポケットの入り口付近が大きく異なっていました(図2)。この結果は、ドパミンD2受容体は大きく異なる複数の不活性型を持つことを示唆しています。これまで様々な種類の受容体の立体構造が発表されてきましたが、不活性型構造がここまで大きく変化していた例は他では報告されていません。本研究ではさらに、アミン受容体ファミリーで構造が類似しているポケットの隣に、ドパミンD2受容体に特有の空洞が存在することが明らかになりました(図3)。また、セロトニン2A受容体でもアミノ酸の向きを変えることで類似の空洞を形成しうることが示唆されました。以上の結果は、変異体実験の結果からも支持されました。 図2 本研究で解明したスピペロン結合型(オレンジ色)と外国のグループが発表したリスペリドン6)結(緑色)のドパミンD2受容体の比較。薬が結合するポケットの入り口を細胞外側から見た図。赤矢印は、スピペロン結合型とリスペリドン結合型で構造が大きく異なる部分を示す。図3 スピペロン結合型(オレンジ色)とリスペリドン結合型(緑色)のドパミンD2受容体の断面図。上が細胞外側になる。赤点線で囲まれた部分が、本研究で見つかったスピペロン結合型ドパミンD2受容体に特有の空洞。波及効果、今後の予定本研究では、統合失調症の治療薬の標的という観点から、ドパミンD2受容体の不活性型構造の解明を目指して研究を進めました。その結果、これまでに発表されていたものとは大きく異なるドパミンD2受容体の不活性型構造を解明できました。また、本研究で新たに見つかった、ドパミンD2受容体に特有の空洞に結合する化合物は、類似する他のアミン受容体には結合しにくいと考えられます。そのため本研究の成果は、副作用の少ない抗精神病薬の合理的な開発・設計に役立つと期待されます。また、ドパミンD2受容体を活性化する化合物は、パーキンソン病の治療薬になります。そのため本研究により取得されたドパミンD2受容体の構造情報は、パーキンソン病の治療薬の合理的な探索・設計にも役立つ可能性があります。 研究プロジェクトについて本研究は、日本学術振興会(JSPS)の科学研究費助成事業、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の創薬等ライフサイエンス研究支援基盤事業(BINDS)JP20am0101079など、多くの支援を受けています。 論文タイトルと著者タイトルStructure of the dopamine D2 receptor in complex with the antipsychotic drug spiperone(ドパミンD2受容体に抗精神病薬であるスピペロンが結合した状態の構造解析)著者Dohyun Im, Asuka Inoue, Takaaki Fujiwara, Takanori Nakane, Yasuaki Yamanaka, Tomoko Uemura, Chihiro Mori, Yuki Shiimura, Kanako Terakado Kimura, Hidetsugu Asada, Norimichi Nomura, Tomoyuki Tanaka, Ayumi Yamashita, Eriko Nango, Kensuke Tono, Francois Marie Ngako Kadji, Junken Aoki, So Iwata, Tatsuro Shimamura掲載誌Nature CommunicationsDOI10.1038/s41467-020-20221-0 用語解説お問い合わせ先島村達郎(しまむらたつろう) 井上飛鳥(いのうえあすか) AMED事業に関すること国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED) ※E-mailは上記アドレス“AT”の部分を@に変えてください。 掲載日 令和2年12月23日 最終更新日 令和2年12月23日 医療薬学Ⅰ 問121
問122
問123 解:一般に細い神経の伝導を早く抑制する。 c 高血圧症や糖尿病の患者では、エピネフリン添加の局所麻酔薬(脊椎麻酔用は除く)は禁忌である。○ 解:中枢作用として痙れんや振戦が現れたら、ジアゼパムやチオペンタールで処置する。 問124 解:ニトラゼパムは、治療量ではレム睡眠の抑制が弱い。 d ブロムワレリル尿素には薬物依存性があり、服用中断により痙れん発作、せん妄などがみられる。○ 問125 解:塩酸クロルプロマジンは、脳幹のドパミンD2受容体を遮断し、アデニル酸シクラーゼ活性を促進して、精神興奮性を抑制する。 b マレイン酸フルフェナジンは、末梢性アドレナリンα1受容体遮断作用も有し、起立性低血圧を起こす。○ 解:炭酸リチウムは、神経伝達物質で活性化されたホスホリパーゼCによるホスファチジルイノシトール代謝回転を抑制させる。 d マレイン酸フルボキサミンは、中枢・末梢セロトニン作動性神経終末で特異的にセロトニンの再取り込みを抑制する。○ 問126 解:塩酸ペチジンは麻薬性鎮痛薬で、中枢神経興奮作用がある。 d ペンダゾシンは、κ受容体刺激作用と弱いμ受容体遮断作用を持つ非麻薬性鎮痛薬である。○ 解:塩酸モルヒネは、第Ⅲ脳神経(虹彩への副交感神経の起始核)核に作用して縮瞳を来たし、化学受容器引金帯を直接刺激するために、悪心・嘔吐を生じる 問127
問128 解:フマル酸ケトチフェンは、肥満細胞からのヒスタミンの遊離を特異的に抑制するので、気管支ぜん息に有効である。 b プランルカスト水和物は、ロイコトリエン受容体を遮断することによって、じん麻疹に著効を示す。× 解:プランルカスト水和物は、ロイコトリエン受容体を遮断することによって、気管支喘息に著効を示す。 c 塩酸オザグレルは、トロンボキサン合成酵素を阻害することにより、気道過敏性を抑制する。○ 解:トシル酸スプラタストは、ヘルパーT細胞からのインターロイキン4(IL-4)、IL-5の産生抑制を介してので、Ⅰ型アレルギーに用いられる。 e プロピオン酸ベクロメタゾンやプロピオン酸フルチカゾンの鼻腔内噴霧は、アレルギー性鼻炎に有効である。○ 問129 問130 解:アドレナリンβ受容体遮断薬の抗不整脈作用に、膜安定化作用は必須ではない。 c 塩酸リドカインと塩酸メキシレチンは、Na+チャネルを遮断する。○ 解:硫酸キニジンは、QT問隔を延長する。 問131 解:アンギオテンシン変換酵素阻害薬の代償性反応は弱い。 e 塩酸プラゾシンの代償性頻脈は、メシル酸フェントラミンに比べ著しい。× 解:塩酸プラゾシンの代償性頻脈は、メシル酸フェントラミンに比べて弱い。 問132 解:ヒドロクロロチアジドは、慢性投与により尿中へのCa2+排泄を抑制させる。 b D-マンニトールは、脳浮腫の治療に有用である。○ 解:フロセミドはヘンレ係蹄上行脚に作用し、炭酸脱水酵素阻害薬より強いの利尿を起こす。 d アセタゾラミドは、緑内障やてんかんの治療にも用いられる。○ 問133 解:リン酸コデインは、塩酸モルヒネより鎮痛作用、依存性、呼吸中枢抑制作用、鎮咳作用は弱い。 c 臭化水素酸デキストロメトルファンは、右旋性(d体)合成オピオイド化合物で、強い鎮咳作用と鎮痛作用を有するが、依存形成作用も強い。× 解:臭化水素酸デキストロメトルファンは、右旋性(d体)合成オピオイド化合物で、強い鎮咳作用を有するが、鎮痛作用、依存形成作用はない。 d
塩酸アンブロキソールは、肺胞II型細胞からの肺サーファクタントの分泌を増加させる。○ 問134 解:テプレノンは、胃粘膜保護作用、胃粘膜血流量増加作用を有し、粘膜防御機能を高める。 b 塩酸セトラキサートは、胃粘膜組織でのPGE2及びPGI2生合成を抑制して、微小循環を改善する。× 解:塩酸セトラキサートは、抗プラスミン作用、抗トリプシン作用を有する。 c アズレンには、抗炎症作用以外にヒスタミン遊離抑制作用も知られている。○ 問135 解:クエン酸モサプリドは、消化管内在神経叢のセロトニン5-HT4受容体を刺激して、アセチルコリンの遊離を亢進して消化管機能を促進させる。 b ドンペリドンは、中枢性のドパミンD2受容体遮断作用により、上部消化管機能調整と制吐作用を示す。× 解:ドンペリドンは、CTZ(血液-脳関門の外に存在)、消化管のドパミンD2受容体遮断作用により、制吐作用と上部消化管機能調整を示す。 c 塩酸ロペラミドは、腸管のコリン作動性神経機能を低下させて、ぜん動運動を抑える。○ 解:センノシドは、大腸で腸内細菌の作用によりレインアンスロンを生成し、大腸のぜん動運動を亢進する。 問136 解:塩酸ピペリドレートは、合成抗ムスカリン薬であり、鎮けい薬・流早産予防薬として用いられる。 b
マレイン酸エルゴメトリンは、子宮収縮作用を有し、分娩後の弛緩出血に使用される。○ 解:オキシトシンは、下垂体後葉ホルモンであり、子宮収縮作用を有する。 d ジノプロストは妊娠子宮を収縮させる。○ 問137 解:クエン酸第一鉄ナトリウムは、Fe2+の形で経口では吸収される。 c 鉄は、ヘモグロビンのグロビンたん白質中に取り込まれる。× 解:鉄は、鉄貯蔵たん白質アポフェリチンと結合してフェリチンとして肝に貯蔵されるかトランスフェリンと結合して血液中に存在する。 d エリスロポエチンは、手術予定患者の自己血貯血に使用されることがある。○ 解:メチルプレドニゾロンは、糖質ステロイド薬で、骨髄抑制作用はない。 問138 解:ワルファリンカリウムは、ビタミンKに拮抗して、プロトロンビンなどの血液凝固因子の肝臓での生合成を抑制する。 b
アスピリンは、血小板シクロオキシゲナーゼを阻害して血栓形成を防止する。○ 解:ヘパリンナトリウムは、陰性荷電の大きいムコ多糖体で、アンチトロンビンIIIに結合してその作用を発現する。 問139 解:グルタチオンの点眼は、水晶体たん白質の機能が変性するのを予防させる。 2 緑膿菌による結膜炎に用いる硫酸ゲンタマイシンは、細菌の80Sリボソームに結合してたん白質合成開始を阻害する。× 解:緑膿菌による結膜炎に用いる硫酸ゲンタマイシンは、細菌の30Sリボソームに結合してたん白質合成開始を阻害する。 3 眩暈症(めまい)に用いるメシル酸ベタヒスチンは、内耳微小循環を改善する。○ 解:硝酸ナファゾリンは、血管のアドレナリンα1受容体を刺激して、鼻閉に対してすみやかに症状を改善する。 5 尿素は、その脱水作用によりかゆみを伴う乾皮症などの皮膚組織機能障害を改善する。× 解:尿素は、ケラチンを軟化・脱落させかゆみを伴う乾皮症などの皮膚組織機能障害を改善する。
問140 解:一般にインスリン依存性糖尿病(1型糖尿病)では、インスリン療法以外にない。 b スルホニル尿素類は、ATP依存性K+チャネルを遮断して、インスリン分泌を高める。○ 解:アカルボースは、食後過血糖改善薬であり、またピオグリタゾンはインスリン抵抗性改善薬であり、組織のインスリン感受性を増強する。
問141 解:カルシトニン製剤は、破骨細胞による骨吸収を抑制し、骨粗しょう症性疼痛にも有効である。 d エチドロン酸二ナトリウムは、ヒドロキシアパタイトの結晶形成を亢進し、破骨細胞の機能を抑制する。× 解:エチドロン酸二ナトリウムは、骨基質に結合し、破骨細胞の機能を抑制する。 e イプリフラボンは、エストロゲン拮抗薬であり、骨吸収を促進する。× 解:イプリフラボンは、直接破骨細胞活性を抑える作用があり、また間接的にも作用がある。 問142 解:アロプリノールは、キサンチン酸化酵素を阻害し、尿酸生合成を抑制する。 c プロベネシドは、尿細管の有機陰イオントランスポーターを尿酸と競合することにより、尿酸の再吸収を抑制する。○ 問143 解:リトナビルは、抗HIV薬であり、HIV-1、2のプロテアーゼ活性を競合的に阻害する。 b インターフェロンアルファは2',5'-オリゴアデニル酸の合成を介して感染細胞内のRNA分解酵素を活性化し、ウイルスのRNAを分解する。○ 解:ジダノシンは、HIVウィルスの逆転写酵素を競合的に阻害し、ウイルスの増殖を抑制する。
問144 解:ベンジルペニシリンカリウムは、細菌細胞壁の合成過程において、ペプチドグリカン・ペプチド転移酵素に競合的に作用し架橋形成を阻害する。 b バンコマイシンは、細胞壁合成を阻害する○ 解:エリスロマイシンは、50Sリボソームに結合して、アミノアシルtRNAの転移を阻害する。 問145 解:アムホテリシンBは、真菌細胞膜のステロールと結合することにより膜機能を抑制する。 b ミコナゾールは、ラノステロールのC-14脱メチル酵素を阻害し、エルゴステロール欠乏をきたす。○ 解:フルコナゾールは、シトクロムP450 (CYP) 3Aを阻害することで薬物相互作用を起こす。 d トリコマイシンは、真菌膜ステロールと結合して、膜機能を障害する。○ 問146 解:シスプラチンはDNA合成を阻止し、細胞周期には依存しない。 c エトポシドはDNA合成を阻害し、S期からG2期に強い作用を示す。○ 解:イリノテカンはトポイソメラーゼIを阻害する。
問147 a 薬物1(シクロホスファミド)は、作用発現に代謝的活性化を必要としない。× 解:薬物1(シクロホスファミド)は、作用発現に代謝的活性化を必要とする。 b 薬物2(メトトレキサート)は、ジヒドロ葉酸還元酵素と結合し、酸化型の葉酸を枯渇させる。× 解:薬物2(メトトレキサート)は、ジヒドロ葉酸還元酵素と結合し、還元型の葉酸を枯渇させる。 c
薬物3(カモフール)は、その代謝物がチミジル酸合成酵素を阻害する。○ 問148 解:器官形成期以後も、薬物による発生毒性は生じることがある。 d ジエチルスチルベストロールは、男児と女児いずれにも生殖器官や生殖機能に異常を起こす。○ 解:ヒトで認められているサリドマイドの催奇形性作用は、実験動物で再現されている。 問149 解:メシル酸デフェロキサミンは、慢性鉄中毒の治療に用いるキレート剤である。 c ヨウ化プラリドキシムは、有機リン剤によりカルバモイル化されたコリンエステラーゼを活性化させる。× 解:ヨウ化プラリドキシムは、有機リン剤によりリン酸化されたコリンエステラーゼを活性化させる。 d ジメルカプロールは、ヒ素、水銀、鉛など多くの急性金属中毒の治療に用いられるが、鉄やカドミウム中毒には使用不可である。○ 問150
問151 解:膜透過機構に関わらず、一般に膜透過性の高い薬物の場合、非撹拌水層における拡散過程は見かけの吸収速度に影響する。 b 薬物の分子量が小さいほど、非撹拌水層における拡散速度は低い。× 解:薬物の分子量が小さいほど、非撹拌水層における拡散速度は高い。 c
吸収が膜透過と非撹拌水層における拡散の両方により影響を受ける場合、非撹拌水層が厚いほど見かけの吸収速度は低い。○ 問152 a 食事によりrate及びextentが低下した。 A B C D E 問153 解:ニフェジピンは水溶性高分子のポリビニルピロリドンを用いて固体分散体とすると、溶解速度が向上して、経口投与時の吸収性が増加する。 b グリセオフルビンを微粉化すると溶解速度が増加して、吸収性が増加する。○ 解:ワルファリンカリウムは、胃内容排出を促進するコレスチラミンとの併用によって吸収が減少する。 d インドメタシンのプロドラッグであるインドメタシンファルネシルは、胆汁酸によって可溶化されて吸収が増加する。○ 問154 解:ヘパリンナトリウムは、消化管からの吸収が悪く、注射剤として投与される。 b
塩酸バカンピシリンは、アンピシリンの消化管からの吸収性を増大させるためのプロドラッグである。○ 解:塩酸プロプラノロールは、吸収されやすいので、経口投与と口腔粘膜への投与ではバイオアベイラビリティは異なる。 問155 解:母体の循環血液中のワルファリンやデキサメサゾンは、母体と胎児の間に血液胎盤関門が存在するが、分子量も小さいため胎児の循環血液中へ移行する。 c 循環血液中のジアゼパムは、血漿たん白結合率が高いので、乳汁中への移行性は低い。○ 解:脈絡叢の毛細血管内皮細胞は、密着結合しておらず、間隙があることから、循環血液中のセフェム系抗生物質は脳脊髄液中へ移行する。 問156 解:一般に生物学的半減期の短い薬物に対して有用である。 b 消化管からの吸収が良好な薬物には不適当である。× 解:消化管からの吸収が良好な薬物には一般的に無関係である。 c 肝初回通過効果の大きい薬物には適していない。○ 問157 解:シトクロムP450 (CYP) は肝細胞内の小胞体に多く存在し、酸化に関与する。 b シトクロムP450 (CYP) の分子種CYP2C19には遺伝的多型があり、代謝活性の低い患者ではオメプラゾールの副作用(皮膚粘膜眼症候群)の発現率は低下する。× 解:シトクロムP450 (CYP) の分子種CYP2C19には遺伝的多型があり、代謝活性の低い患者ではオメプラゾールの副作用(皮膚粘膜眼症候群)の発現率は増加する。(代謝:不活性化) c カルバマゼピンは連用によって代謝酵素の誘導を起こし、同じ投与量をくり返し投与した場合、血中濃度は上昇する。× 解:カルバマゼピンは連用によって代謝酵素の誘導を起こし、同じ投与量をくり返し投与した場合、血中濃度は低下する。 d シメチジンはシトクロムP450 (CYP) のヘム鉄と複合体を形成し、シトクロムP450 (CYP) の代謝活性を阻害する。○
問158 解:糸球体ろ過は加圧ろ過過程であり、糸球体の毛細血管内圧がボウマン嚢内圧よりも高いために起こる。 b 臨床の場において、患者の糸球体ろ過速度は、イヌリンの腎クリアランスを指標に評価されることが多い。× 解:臨床の場において、患者の糸球体ろ過速度は、クレアチニンクリアランスを指標に評価されることが多い。 c 薬物の尿細管分泌とは、薬物が血管側から尿細管腔側へと能動的に輸送される現象である。○ 解:薬物の尿細管再吸収は受動的な単純拡散によるものと特殊な輸送系が関与するものがある。 e 尿pHの低下によって弱酸性薬物の尿中排泄が減少するのは、尿細管再吸収の増大による。○ 問159
問160 解:肝への血液の流入系には、門派系と肝動脈系の2つがあり、全肝血流量に対する割合は、肝動脈系を1とすると、門派系では3程度である。 b 類洞(シヌソイド)の内皮細胞は不連続性であるため、アルブミンに結合した薬物も内皮細胞の間隙を通過することができる。○ 解:胆汁中排泄の支配要因の1つに薬物の分子量があり、ヒトの場合、分子量が約200以上の薬物はそれ以下の薬物に比べて胆汁中に排泄されやすい。 d グルクロン酸抱合体として胆汁中に排泄された薬物は、腸内細菌叢のβ-グルクロニダーゼによって脱抱合を受け、再び吸収されることがある。○ 問161 解:1 問162 解:この薬物の腎クリアランスは、200 mL/min である。 d 錠剤Aを経口投与後の消化管壁の透過率は、80% である。× 解:錠剤Aを経口投与後の消化管壁の透過率は、100% である。 剤形 注射剤 錠剤A 錠剤B 問163 1 0.04 2 0.10 3 0.16 4 0.25 5 0.31 問164 解:急性肝炎では、肝血流量は変わらないので、肝血流律速型薬物であるプロプラノロールの血中濃度は変化しない。 c 急性肝炎では、肝代謝律速型薬物であるワルファリンのたん白結合率が増加するので、肝固有クリアランスは大きくなる。× 解:急性肝炎では、肝代謝律速型薬物であるワルファリンのたん白結合率が低下する。また急性肝炎時には肝固有クリアランスは小さくなる。 d 肝障害によって肝血流量が低下した時は、肝血流律速型薬物であるリドカインの血中濃度は上昇する。○ 問165 解:薬物濃度測定のための採血は、一般に繰り返し投与では投与直前、点滴では定常状態、単回投与では1/ke時間に測定が行われる。 b 蛍光偏光免疫測定法は、迅速かつ簡便な血中薬物濃度測定法として広く用いられている。○ 解:薬理効果や副作用の指標として、TDMでは全薬物濃度が測定され、計算により、遊離形薬物濃度を求める。
問166 1 0 2 1/4C0 3 1/8C0
問167 a 大粒子は小粒子の2倍量存在する。 b 小粒子は大粒子の2倍量存在する。 c 小粒子の粒子径をdとすると、大粒子の粒子径は4dである。 d 小粒子の粒子径をdとすると、大粒子の粒子径は2dである。 e 小粒子の粒子径をdとすると、大粒子の粒子径は√2dである。 問168 1 0.73 × 103cm3 2 1.1 × 103cm3 3 1.9 × 103cm3 169 解:接触角が0度より大きく90度以下のとき、浸漬ぬれが起こる。 e 接触角が90度より大きく180度以下のとき、浸漬ぬれが起こる。× 解:接触角が90度より大きく180度以下のとき、付着ぬれが起こる。 問170 a シンク条件を仮定して導かれる。○ 解:粉末粒子の粒子径は同一として導かれる。 c kの次元は (時間)-1・ (質量)1/3である。○ 問171 1 液体状態のAの中に共融混合物が析出している。 問172 解:液体に加わるせん断応力とせん断速度との間に原点を通る直線関係が成立する場合をニュートン流動という。 b 高分子溶液の極限粘度を測定すれば高分子の分子量を知ることができる。○ 解:液体に加わるせん断応力とせん断速度との間に直線関係が成立しない場合を準粘性、準塑性、ダイラタント流動などという。 d 濃厚な懸濁液に加わるせん断応力とせん断速度との間には、原点を通る直線関係が成立しない。○ 問173 解:一般に分散相が合一したエマルションは振り混ぜると容易に再分散されないが、クリーミングを起こしたエマルションは再分散される。 b 一般に内相と外相の容積率が等しいとき、最も不安定なエマルションを生成する。× 解:一般に内相と外相の容積率が等しいとき、最も安定なエマルションを生成する。 c HLB値が7より小さい界面活性剤を用いると、安定なO/W型エマルションは生成しない。○ 問174 解:加温した溶媒又は熱溶媒とは、通例、60~70 ℃に熱したものをいう。 b 確認試験は、医薬品を製造する過程又は保存の間に混在が予想される物質を確認するために必要な試験である。× 解:純度試験は、医薬品を製造する過程又は保存の間に混在が予想される物質を確認するために必要な試験である。 c 医薬品の試験は、別に規定するもののほか常温で行う。○ 問175 解:半乾式顆粒圧縮法(セミ直打法)は滑沢剤を加える。 c 打錠障害であるラミネーションは、医薬品混合物中に微粒子が多く含まれたり、結合剤が不足すると起きやすい。○ 問177 問178 問179 解:乳酸・グリコール酸共重合体のマイクロカプセルに酢酸リュープロレリンを封入して注射剤とした製剤は、皮下注後体内で乳酸・グリコール酸共重合体が架橋され固化して、徐々に酢酸リュープロレリンを放出する。 d 経度治療システムの長所としては、肝臓の初回通過効果を回避できること、投与の中断が容易であることがあげられるが、短所としては適用できる薬物が限られることである。○ 問180 c 注射剤の不溶性微粒子試験法において、不溶性微粒子の限度は、水剤1 mL中の個数に換算するとき、10μm以上のものが20個以下で、かつ25μm以上のものが2個以下である。× d 注射剤の不溶性異物検査法第1法において、溶液である本剤の溶剤は、容器の外部を清浄にし、白色光源の直下、4000~6000ルクスの明るさの位置で、肉眼で観察するとき、たやすく検出される不溶性異物を認めてはならない。× 解:注射剤の不溶性異物検査法第1法において、溶液である本剤の溶剤は、容器の外部を清浄にし、白色光源の直下、約1000ルクスの明るさの位置で、肉眼で観察するとき、たやすく検出される不溶性異物を認めてはならない。 ドパミンD2の副作用は?しかし、ドパミンD2受容体やセロトニン2A受容体と類似するセロトニン2C受容体やヒスタミンH1受容体など他のアミン受容体2)にも結合して不活性化することで起こる、口の渇き、眠気、体重増加、高血糖、起立性低血圧などの副作用が存在します。
ドパミンブロッカーの副作用は?5%以上でみられる副作用は、パーキンソン症候群(25.6%)、アカシジア(25.4%)、不眠(22.8%)、眠気(14.5%)、ジスキネジア(13.1%)、便秘、悪心・嘔吐、食欲減退、プロラクチン上昇、焦燥、不安、めまい、ふらつき、過度鎮静、脱力倦怠感、口渇、CK上昇です。
ドパミンD2受容体の作用は?ドパミンD2受容体は、ドパミンにより活性化されて情報伝達を行います。 ドパミンは、運動調節や意欲・学習などに関わる脳内の神経伝達物質です。 脳内のドパミン量が不足するとパーキンソン病になり、過剰になると統合失調症になると考えられています。 統合失調症の治療薬はドパミンD2受容体に結合して不活性化します。
アドレナリン受容体のαとβ両者を遮断するのはどれか。?アロチノロールは、気管支平滑筋のアドレナリンα、β受容体を遮断することで気管支平滑筋を拡張させる。 ビソプロロールは、心臓のアドレナリンβ1受容体を遮断することで心拍数を減少させる。 ナドロールは、心臓のアドレナリンβ1受容体遮断作用及び内因性交感神経刺激作用により心筋収縮力を低下させる。
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